井土紀州監督新三部作 製作費ご支援のお願い
『百年の絶唱』『 LEFTALONE』『ラザロ-LAZARUS-』などを監督、また、『溺れるナイフ』『生きるとか死ぬとか父親とか』などの脚本を手掛ける井土紀州が、短編映画三部作の最終章となる第三部を製作することとなりました。それに伴い、製作費の一部の支援を広く募ります。ご協力お願いいたします。
《企画内容》
東京オリンピック以後、寄る辺ない男女の束の間の交わりを描いた『漂着物』。失踪した彼氏を探す女が思いもよらぬ事態へと突き進んでいくブラックコメディ『雲がくれ』。この裏表の物語の完結編となる第三部は、これまで井土紀州とスピリチュアル・ムービーズが歩んできた歴史を踏まえながら、変わりゆく時代の中で新たな始まりへと踏み出す作品となります。また、三部作として国内劇場公開、海外映画祭出品などを目指します。
《監督メッセージ》
失恋、裏切り、いじめ、挫折、落第、失脚……様々な理由はあれど、厭世観にとらわれて社会からドロップアウトし、世捨人となる者は古来から後を絶ちません。
彼らは失踪や蒸発、放浪、漂泊、隠遁といった行動を通じて世間を捨て、また世間からも捨てられてきました。
要するに無用者として生きることを選んだのです。
現代に目を向ければどうでしょうか。
生きづらさや孤立、居場所を失って、ニートやひきこもりになる人たち。
彼らこそ現代の世捨人ではないでしょうか。
彼らは自分の魂が押しつぶされないように、社会に背を向け、じっと〝もの思い〟にふけります。
『漂着物』『雲がくれ』と続けてきた連作では、〝もの思い〟のあまりに〝もの狂い〟となった魂がさすらっていくさまを描いてきました。
この物語は、次の『夢ん中』で完結します。
もの狂おしい思いによって揺らいだ魂は、やがて夢をみることになるでしょう。
さすらう魂は、夢という回路を通してスクリーンにたどり着くことが出来るのか。
それが今回の僕たちの挑戦です。
応援、よろしくお願いします。
井土紀州
《第三部『夢ん中』あらすじ》
ヒカルは映画狂だった。依存症といっていいかもしれない。アルバイトをしている以外の時間は映画を観ていないと気がすまない。ヒカルが映画にハマったのは19歳の頃だ。大学受験に失敗し、浪人生活を送るうち、大量に映画を観るようになった。結局、勉強をしないまま大学受験をあきらめ、ニートになった。アルバイトをして映画を観る、そんな生活をもう三年ほど続けていた。実家暮らしのヒカルには母親と姉がいる。母と姉も最初はヒカルの生活に苦言を呈していたが、最近ではすっかりあきらめている様子だ。
ある日、ヒカルはいつものように映画を観た。それは彼氏を殺されたヒロインが、殺した女に復讐を誓うという内容だった。よくある話だったが、後味が悪かった。復讐しようとしたヒロインが返り討ちにあい、無残に死んでいく結末だったからだ。「あんな終わり方おかしいだろ、なんでヒロインが負けて悪が勝つんだよ」映画館を出てからも、悶々としているヒカルの前に、先ほど観た映画のヒロインが姿を現す。映画の中で無念のまま死んでいった女だ。女はあずさといった。「よかった。生きてたんですね」ヒカルは映画と現実を混同し、女の無念さへの共感を語った。そして、もし復讐を続けるなら、ぜひ助太刀をしたい、と。あずさは怪訝そうな顔で「これからアルバイトの面接があるから」と逃げるように去っていった。
数日後、ヒカルが映画館に出かけると、あずさが受付にいた。あずさはここで働き始めたらしい。映画が終わり、場内を掃除するあずさにヒカルは再び話しかける。すると、あずさはようやく自分の身の上を話し始めた。実は自分には探している女がいること、その女はあずさの彼氏・遠藤颯太を殺して逃げているのだと。女の名は松下サキといった。あずさはサキに復讐し、颯太の形見を取り戻そうとしていた。ヒカルは興奮して「自分にも手伝わせてほしい」と申し出た。
こうして、ヒカルはあずさの復讐を手伝うことになった。協力者の富士川晋からの情報を元に、二人は松下サキを探す。大学進学という目的を失い、映画を観ることだけが生きる証になっていたヒカルは、次第に生き生きとし始める。今では自分が映画の主人公、好きな活劇を生きているのだ。ドジで失敗ばかりのヒカルだったが、あずさはそんなヒカルの様子を温かく見守るのだった。一方、ヒカルはあずさに淡い恋心を抱き始める。
珍道中の末、二人はようやく松下サキの居所を突き止める。ヒカルとあずさの前についに姿を現すサキだったが、事態は思いもよらぬ方向に展開していくのだった……。
第一部『漂着物』


202X年、東京オリンピックの喧騒は過ぎ去り、様々な廃墟と凄まじい量の廃棄物が残された首都・東京。都心から吐き出された多くのゴミは、潮の流れに乗って東京湾の片隅に流れ着いていた。西澤修也は、海辺の廃墟に住みつき、流れ着いたゴミを拾って生計を立てている。隠遁者のように暮らす修也の生活圏に、一人の女・咲が迷い込んできた。言葉を交わし、触れ合ううちに、次第に明らかになる二人の過去。それはのっぴきならぬ事態 に二人を追い込んでいくのだった。
出演:細江祐子 本多章一
監督:井土紀州 脚本:小谷香織 井土紀州 撮影:高橋和博 照明:俵謙太 録音:中川究矢 ドローン撮影:上田茂 俗音:近藤崇生 編集:桑原広考 助監督:遠藤晶 プロデューサー:吉岡文平
製作:スピリチュアル・ムービーズ 2017年/32分/DCP上映/カラー
第二部「雲がくれ」


2017年製作「漂着物」の続編。 あずさは連絡が取れなくなった彼氏の元カノのアパートを訪ねると、留守らしく応答はない。諦めて帰ろうとすると、彼氏が着ているはずの服を着た男を見かける。どうしても彼氏の居場所をつきとめたいあずさはその男に頼み込み、大家とともに彼氏の元カノの部屋に入った。そして、3人がそこで見つけたものは...。
出演:竹内香帆 前田瑞貴 小田篤
脚本・監督:井土紀州 撮影:高橋和博 照明:俵謙太 録音:小濱匠 ヘアメイク:久野由喜 音楽:高橋宏治 助監督:登り山智志 監督助手:相原柊太 制作デスク:野崎芳史 演出応援:遠藤晶 小谷香織 制作応援:増田加奈 堀三郎 題字:翠川英人 編集:桑原広考 整音:小濱匠 美術協力:佐々木愛 特別協力:坂口一直 プロデューサー:吉岡文平 桑原広考
製作:スピリチュアル・ムービーズ 2025年/40分/DCP上映/カラー
《スピリチュアル・ムービーズとは》
スピリチュアル・ムービーズは、井土紀州を中心として1996 年に結成された映画製作集団です。“魂に触れる映画”を求めて『百年の絶唱』『LEFTALONE』『ラザロ-LAZARUS-』など多数の自主映画を製作・公開してきました。また、映画製作に止まらず 2014年からは『映画一揆外伝』シリーズという自主上映企画を開催し、国内外の作品上映を継続して行なっています。
《監督略歴》
井土紀州(いづち・きしゅう)
1968年生まれ、三重県出身。監督の瀬々敬久と出会ったことをきっかけに、1995年からシナリオを書き始める。主な脚本作品に『雷魚』(97)『HYSTERIC』(00)『MOON CHILD』(03)『不倫純愛』(10)『溺れるナイフ』(16)『遠くへ,もっと遠くへ』(22)などがある。近年では連続ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』(TX)でTVドラマのシナリオも手掛けた。また、1998年には『百年の絶唱』を監督し、以後は監督としても活動。主な監督作品に『ラザロ―LAZARUS―』(07)『彼女について知ることのすべて』(12)『マリア狂騒曲』(13)『卍 MANJI』(23)『痴人の愛』(24)などがある。



《製作スケジュール(予定)》
2026年1月下旬 キャストオーディション
2026年3月下旬 撮影
2026年12月 完成
2027年 公開
《ご支援の案内》
A:一口10,000円
*「映画一揆2025」パンフレット謹呈
*映画のエンドロールにお名前を記載(希望者のみ)
B:一口30,000円
*「映画一揆2025」パンフレット謹呈
*映画のエンドロールにお名前を記載(希望者のみ)
*映画完成後に全編オンライン視聴(完成のお知らせ後2週間限定)
C:一口50,000円
*「映画一揆2025」パンフレット謹呈
*映画のエンドロールにお名前を記載(希望者のみ)
*映画完成後に全編オンライン視聴(完成のお知らせ後2週間限定)
*第一部『漂着物』・第二部『雲がくれ』の先行オンライン視聴(ご入金確認後2週間限定)
※複数口のご支援も歓迎です。

《申し込み・お振込方法》
※申し込みフォームに【お名前】【住所】【電話番号】【E-mailアドレス】をご記入し【ご支援コース】のA、B、Cをお選び頂き、送信ボタンを押してください。
※複数口のご支援も歓迎です。その場合、通信欄にご支援頂く金額をご記入ください。
※その後 スピリチュアル・ムービーズ 制作部よりお振込み先をお伝えするメールをお送りいたします。
ご入金確認後、ご支援へのお礼に関するメールをお送り致します。
お預かりした個人情報につきましては、ご支援へのお礼に関する事以外には使用いたしません。
※エンドロールにお名前記載を希望されない方は、通信欄にその旨をお書き添えください。また、別名義、法人名、任意団体名でも記載可能です。ご希望の方はその旨をお書き添えください。
※ご入金後、お礼メールが届かない場合は、恐れ入りますが、下記E-mailアドレスまでご連絡をお願いいたします。また、ご不明な点がありましたら、お問合せください。



